Chelsea チェルシー
2008年にイーストビレッジから始まったArtichoke Pizzaのお店と高級コンドミニアム
エリア概要
チェルシーは、ハドソンヤーズの南(場所により 29丁目または 34丁目が境界)、ミッドタウンサウスの西(概ね 6th Aveから西、南部については 5th Ave 以西を含める場合も)、ミートパッキング地区~ウェストビレッジの北(14丁目より北)の広いエリアです。
エリアの北東部は34丁目に接し、大型の商業店舗が多く、ペン・ステーションと地下鉄がある交通の要所です。
中央部と東部は古い住宅が相当数を占め、タウンハウス(低層の集合住宅)やニューヨーク市の公営住宅が広い範囲に存在します。再開発されていない部分の広さと歴史の長さから、住民の社会的階層や人種も非常に多様と言われています。
この地域が未開発だった頃の名残として、USPS(米国郵便公社)の低層で巨大な配送ハブがチェルシーパーク北の2区画を占有しています。また、26-28丁目の 7th Ave と 8th Ave の間には、Fashion Institute of Technology(FIT)のキャンパスがあります。
チェルシーの中で一般に人気があるのは、10th Ave より西の「ウェスト・チェルシー」です。超高級コンドミニアムが多く開発され、アートギャラリーが20以上も存在し、海外展開する大きなプライベートスクールがある一帯です。
ウェスト・チェルシー
ウェスト・チェルシーは、チェルシーのうち 9th Ave から西の全域を指します。(上の地図を拡大してご覧下さい。)
このエリアは ハイライン(The High Line)を抜きにしては語れません。ハイラインは、戦前にミートパッキング地区への貨物輸送に使われていた高架鉄道の跡地を、21世紀になって整備した公園です。ホイットニー美術館 のすぐ横を南の起点とし、10th Ave の西側に入ってから真っすぐ北に向かい、ハドソンヤーズがある 30丁目まで続きます。建設は、ある NPO が当時のブルームバーグ市長に提案したことから始まり、その NPO はこれまでに民間から $150 Million (約165億円)を集めました。ハイラインのデザインや芸術作品の招致に関わったほか、基金を運営して現在も地元コミュニティーのためのイベント活動や、ハイラインの植物や設備の管理、警備を行っています。
開発前のハイラインはこんなところでした ➡ 運営 NPO のウェブサイト
ハイラインを中心とした地域活動は、都市の環境を再定義しながら、それ以前から人気が高かったウェスト・チェルシーの文化、経済、コミュニティーを活性化することに成功しました。ITや金融業界の人々や、アート関係者などがこのエリアに惹かれて集まり、地域のボランティア活動に従事する人もいます。
近年はIT業界の住人が特に増えました。例えば、チェルシーの南部にはグーグル社の巨大なオフィスがありますし、北部では、ペン・ステーションの西側の一区画を占める4階建ての歴史的建造物の全スペースが、フェイスブック社のオフィスとなりました。フェイスブック社は、パンデミック真っただ中の 2020年夏にその賃貸契約を行い、ニューヨーカーを良い意味で驚かせました。
10th Ave から 11th Ave の住宅と環境
ハイラインの両側には、超高級なコンドミニアムや賃貸専用住宅が並びます。床面積が広いユニットや、デュプレックスのユニットばかりからなる建物もあります。賃貸住宅の場合、床面積は他のエリアのものと大きく外れることはありませんが、物件によってハイラインに直結する出入口を設けて特色を持たせています。売買価格も家賃も、多くのミッドタウンのエリアと比べて高いです。
なお、ハイラインの少し西側から 11th Ave までの間には、小規模でプライバシーの確保に向く高級物件や、キャストアイアン建築に似たデザインの建物があり、トライベッカに通じる雰囲気が感じられます。
11th Ave からハドソン川までの住宅と環境
川沿いのエリアにも、異彩を放つ現代的デザインの建築がいくつか目につきます。氷山のような色と形の建物はフランク・ゲーリーが設計した、IACビルディングです。その北にはフランス人建築家ジャン・ヌーヴェルが設計した高級コンドミニアム。他に The Lantern House や 18丁目の The Xi といった奇抜なコンドミニアムが建設中です。
11th Ave の新築コンドミニアムから西は、遮るもののないリバービューとなっています。ここまで西にチェルシーの開発が進んだ現在では、眺望が良い不動産としてその価値が一層高まっているようです。
17丁目から 22丁目の川沿いには、チェルシーピア(Chelsea Piers)と呼ばれる、ゴルフクラブやジムなどが入居したスポーツ複合施設があります。このため、ゴルフバッグを持ってチェルシーを歩く人を見かけることがあります。
川沿いは交通量の多い道路で、その西側を自転車やランナーが平日の昼間でも絶えず行き来します。この通りはニューヨークシティ・ハーフマラソンのコースでもあります。
11th Ave 沿いには貸倉庫や USPS(米国郵便公社)の配送所など、インダストリアルなビジネス用地が残っているものの、その割合は小さく、高級住宅地の開発が進んで人口が増えた今ではインダストリアルという印象を殆ど受けません。
チェルシー南西部
東西に走る 14丁目付近には、グーグル社の大きなオフィス、グーグルストア、チェルシーマーケット(Chelsea Market - ロブスターをボイルするお店があることでも知られる)、美術館(Rubin Museum of Art)、アップルストア、ブティック型のアパレル店舗、懐石レストラン、スターバックス・リザーブ '★|R' があり、観光客だけでなく近隣の富裕層までが集まりやすい地区と言えます。
レストランの傾向としては、高級な店だけでなく、カジュアルでも素材にこだわったお店が見受けられます。普段から良質のものに接しているお客さんが多いのでしょう。
チェルシー東部:6th - 7th Ave 付近
これらのアベニュー沿いの雰囲気は、34丁目以北のガーメント・ディストリクトに似ています。古いながら大きく整然としたオフィスビルが並んでいて、その一階にコンシューマー向けの様々な商業店舗が入居しています。
7th Ave & 24丁目には Whole Foods Market が、そして 6th Ave & 21丁目に Trader Joe's があります。ホテルも比較的多いエリアです。
高品質な賃貸住宅としては、6th Ave 沿いに低層ビルも高層ビルもありますが、いずれも家賃がかなり高めです。
交通
地下鉄は、チェルシーを南北に4つのラインが走っています。8th Ave に青のライン(A/C/E)、7th Ave に赤のライン(1/2/3)、6th Ave にオレンジのライン(B/D/F/M)、そして斜めの Broadway 沿いの黄色のライン(N/Q/R/W)です。
東西には 14丁目を Lラインが走ります。
ハイラインは犬の立ち入り禁止
ハイラインで犬を散歩させることはできません。地上にハイラインと無関係のドッグランはあります。
ウェストチェルシーの賃貸空室情報は こちら
2022年4月23日 最終更新