Oxford Property Group

NoHo • East Village  ノーホー • イーストビレッジ

NoHo ノーホー

Bond St & Lafayette St

6Astor Pl, Bleecker St RW8 St-NYU 
BDFMBroadway-Lafayette St 
 場所

ノーホー(NoHo)は、東西をグリニッジビレッジとイーストビレッジに挟まれた、小さな台形のエリアです。北は Astor Place(8丁目)、南は Houston St (ハウストン・ストリート)まで。NoHo という地名は North of Houston に由来します。

 歴史

19世紀のノーホーは、ニューヨークの地名にその名を残した上流階級の人々が住むエリアでしたが、19世紀末には徐々に建物が解体され、キャスト・アイアン様式のロフトが建てられました。20世紀には、中流階級が多かったソーホーと同様に工場や倉庫が多数進出しましたが、戦後に工場が転出すると、その跡地のロフト・アパートに、ロバート・メイプルソープ、アンディー・ウォーホール、ジャン=ミシェル・バスキアなどのアーティストが居住しました。現在は歴史的保存地区に指定されています。倉庫街となる前の19世紀に建てられた歴史的建築物もいくらか現存します。

写真は Bayard-Condict Building. 1899年築。ニューヨークに出現したシカゴ派の建築としては最初期のもの。外壁は、華麗な装飾が施された白いテラコッタからなる。2000年代に大規模な修復が行われた。

ソーホーにも多い、キャスト・アイアン様式の建物が目立ちますが、現代の建築物でもキャスト・アイアンを模範にした建築様式を採用することがあり、地域に溶け込んでいます。

 1990年代からの発展

1990年代から 2000年代にかけて、稀少なロフトアパートの魅力もあり、高級住宅地の1つとなりました。ソーホーと違って、全米または世界展開する大手ブランドの店舗はほとんど見当たらず、利便性が高い場所でありながら比較的落ち着いています。

マンハッタンの2丁目、3丁目は、このエリアを通るとそれぞれ Bond St、 Great Jones St と名称が変わります。Bond St には石畳が残り、上記の独特のデザインの建築に囲まれて、1階にはイタリアのファッションブランド、セレクトショップ、家具のお店、レストランなどが入っています。


 現在の問題と新しい都市計画

2019年から、ニューヨーク市と住民代表により、ソーホー・ノーホー地区の土地利用方法が協議されています。ノーホーに関してはあまり該当しませんが、ここ数年ソーホーでは、店舗の賃料が著しく高騰したことから、建物の1階にぽつぽつとテナント不在の商業スペースが見られるようになりました。それらの貸主の一部は、新しいテナントがしばらく付かなくても、賃料を下げて急いで貸し出そうとしてはいない(何故なら商業店舗は10年以上の契約が普通だから)、という話も聞かれていました。そこへ、2020年にパンデミックが起こったことで、相当な数の店舗が閉店・撤退し、残ったのは全国や世界に知られる資本力のある会社の店舗と、一定の需要があるレストランやカフェばかりになってしまいました。

ソーホーエリアの住宅事情、仕事の創出、芸術、文化など様々な要素を勘案して、どのようにすればこの地域を活性化することができるかが話し合われています。その一つの議題として、商業用として規制された土地の住宅用への転換が検討されています。

☆☆豆知識☆☆ NoHo の南隣は SoHo ではなく、Nolita(North of Little Italy の略) で、SoHo は Nolita の西隣です。



East Village イーストビレッジ

East 7th St & 1st Ave

6Astor Pl 456RWQNUnion Square 
F2nd Ave L3rd Ave, 1st Ave
 場所

イーストビレッジはノーホー(NoHo)の東、つまり 4th Ave 及び Bowery St から東の全域で、南北は 14th St と Houston St (ハウストンストリート)を境界とするエリアです。

 中心部と商業地域

多くの人にとって馴染み深いのは、イーストビレッジの中でも西側、特に Astor Place から 2nd Ave 沿いまでの間でしょう。日系・非日系のレストラン、中でもファーストフードやバーが多数あり、昔から続くお店も存在します。中でも古いのは、19世紀中頃に創業しニューヨークで最古と言われるアイリッシュエールハウス McSorley's Old Ale House で、今も床にはおが屑が敷かれています。

Astor Place 周辺には New York University や Cooper Union for the Advancement of Science and Art(建築やアートで有名な大学)の建物が点在します。商業店舗やオフィスが入居した新しい建物も増えました。テナント料の上昇に伴い、例えば 、St. Mark’s Bookshop (現在 The Bean が営業しているスペースにかつて存在し、ジャック・デリダや酔ったスーザン・ソンタグが訪れたこともあるという独立系書店)のように、東に移転を余儀なくされた古くからのビジネスもあります。(なお、St. Marks Bookshop は移転後ほどなく閉店となり、別の独立系書店 Karma Bookstore が跡地に移転してきました。)東に行くほど、東西の通り沿いに住宅や個人商店・レストランが多くなります。

商業的に最も発展しているのは、イーストビレッジの西側を、Astor Place から 南に進み、NoHo や SoHo の西に続くエリアです。

 住宅事情

低層で古い住宅が多いですが、場所柄、常に一定の需要があるため、住宅の程度の割に家賃が高めです。また、リノベートされていても、建築時の狭くて不便な間取りが残っていたり、リビングルームを仕切って小さめのベッドルームを作ったものなど、家賃より立地を重視する方や、一人またはルームメイトと住む方に訴求力のあるアパートが多いようです。このような小さな賃貸ビルでは、同じ建物にコンスタントに空室が出ている確率が小さいうえ、間取り図を入手できないことも多いため、住宅探しは質が大きく異なるものを都度比べることになります。お住まい自体への期待が高すぎず、許容範囲がある程度広い方でなければ、物件を決めることが難しいと思われます。


比較的新しくしっかりした賃貸住宅は、Astor Place から Bowery 沿いに南下する途中や、イーストビレッジの南の境界の Houston St 付近に多く、北側の 14丁目沿いにも若干見つかります。それらの家賃は非常に高いです。

築浅コンドミニアムについても、非常に数が少ないことと立地から物件価格は高く、賃貸に出される時の家賃も、広めの2ベッドを例に挙げると月1万ドルを超えます。

 スーパーマーケット

Whole Foods Marketが、14丁目の Union Square 南と、Houston St を南に渡ってすぐの Bowery との角にあります。(どちらもイーストビレッジのすぐ外側に位置します。)また、Trader Joe's が 14丁目の南側、3rd Ave 付近と Avenue A 付近の二か所にあります。

 エリアの発展状況

ナイトライフを楽しめるお店や多数の飲食店は、特に Houston St をまたいだローワーイストサイドに増加しています。

イーストビレッジは昔と比べると見違えるほど発展したようですが、低層住宅の建て替えや再開発はエリア西部や南部以外ではあまり起きておらず、東側の発展は遅いと言えます。新しい建築や学生以外の人口流入は、ローワーイーストサイドに向かっているようです。

 リトル・ウクライナ

☆☆ 豆知識 ☆☆ East Village の中に、Little Ukraine と呼ばれる地区があります。19世紀末にウクライナからの多数の移民がコミュニティーを形成した地域で、南北では 7丁目から4丁目、東西では 3rd Ave から最遠で Avenue A までのエリアです。現在、ウクライナ系の店舗は数えるほどになりましたが、それでもニューヨークシティに住むウクライナ系人口の3分の1がこのエリアに居住します。


2021年5月12日 更新

ノーホー • イーストビレッジ の賃貸空室情報は こちら

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