Oxford Property Group

Upper West Side アッパーウェストサイド

Lincoln Square リンカーン・スクエア

Metropolitan Opera House(中央)、David Geffen Hall(右).
Lincoln Center for the Performing Arts の一部

59 St-Columbus Circle 
66 St-Lincoln Center 72 St
 概要

リンカーン・スクエアは、広義の「アッパーウェストサイド」の南部に位置し、マンハッタン西側の 59丁目から 72丁目までのエリアです。周辺地域より不動産価格や家賃が高めです。第二次大戦後に官民(「民」は主にロックフェラー家)による大規模な再開発が進んだことと、現代ではオフィス街に近いが少し離れた住宅街かつ文化的な集積地、という地理的利点があります。

 文化・商業施設

オペラ、バレエ、ジャズ、クラシック音楽、映画の催しを行う Lincoln Center for the Performing Arts の施設群、Juliard School、演劇の資料に特化した図書館 New York Public Library for the Performing Arts、音楽やダンスの学校である Kaufman Music Center、多数の中小スタジオ、そして フォーダム大学のロースクールがあります。1996年にアッパーウェストサイドの店舗を閉じた、独立系書店・出版社の Shakespeare & Co が、リンカーンスクエアに移って25年ぶりにカフェ併設の店舗を再開したのは良いニュースです。

エリア中心部の Broadway にはアップルストアがあり、その東の Columbus Ave 沿いには、SoHo や Tribeca にもあるブティックが幾つか並んでいます。その東は ABC News、ESPN、WNYCといったテレビ局が集まり、選挙やスポーツ分析で有名な FiveThirtyEight も 運営会社のABC と同じ建物に入っています。

59丁目の Time Warner Center に Whole Foods Market、Williams Sonoma、Amazon Books など数多くの店舗や、マンダリンオリエンタルがあります。また最近、コロンバスサークルの地下鉄構内から南に Turnstyle Underground Market という地下街が再開発され、持ち帰り主体の小さなレストランや、カフェ、雑貨屋が並びます。(ちなみに、ターンスタイル "Turnstyle" は、地下鉄でも使われている、棒が回転するゲートです  Wikipedia) エリアのすぐ南の57丁目には、Nordstrom のニューヨークでの初のフラッグシップストアがあります。

スーパーマーケットは、リンカーンスクエアの南東にお住いの方には Whole Foods Market が便利ですが、66丁目 Broadway 付近には Gourmet Garage、西側には、57丁目の Hudson Market や 60丁目の Morton Williams があります。場所柄、高級スーパーマーケットが多いようです。



新しい商業店舗ができる前の時代の名残として、映画館の多さが特徴的です。2017年に大きな映画館が一つ閉館しましたが New York Timesの記事)、今でも リンカーン・センターの映画館の他に、62丁目に非営利法人の New Plaza Cinema、68丁目に大手の AMC Theatres が存在します。

 住宅

このエリアの中心地である Broadway 周辺に、コンドミニアムも賃貸専用住宅もあります。家賃が高くても需要があり、人気が高い建物では時期によって空室が見つかりにくいことがあります。中には、高い固定資産税が反映されているのか、古めの住宅(例えば1970年代後半築)でも中身から判断すると割高に思える物件も散見されます。

現代的な高級物件は 2000年から 2010年代にかけて、Broadway 沿いと、10th Ave(Amsterdam Ave)から West End Ave、そして 70丁目付近のハドソン川沿いに建てられました。ごく最近は 60丁目の West End Ave からハドソン川までの区域に住宅が多数開発され、Waterline Square という名の建物群が最も新しいものです。コンドミニアムビルディングと賃貸専用ビルディングの両方からなります。



Upper West Side アッパーウェストサイド(72丁目以北)

West 95th St付近から、Broadwayを北方向に望む

72, 96 St 79, 86, 103, 110 St
72, 81, 86, 96, 103, 110 St
 概要

アッパーウェストサイドは、広い意味ではウェストサイドの 59丁目から 110丁目のエリアですが、リンカーンスクエアを除いた狭義では 72丁目から北を指します。

西のハドソン川沿いには細長い公園が整備されています。東側はセントラルパークに接し、公園沿いを北に進むと上り坂になったり、公園内に大きな岩石が増え、南側とは結構違うことに気付かされます。

 住宅地としての沿革と特徴

アッパーウェストサイドは、19世紀末から20世紀初頭に地下鉄の延伸に合わせて住宅開発がブームになった頃からの住宅地です。ミッドタウンやダウンタウンの多くの地域と比べて商業地が少なく、Broadway は、南を見ても北を見ても、圧倒的に住宅ばかりが立ち並んでいることが分かります。

そのため、アッパーイーストサイドと同様に、古い住宅が大多数です。また、賃貸専用住宅の比率が他の地域より低く、コープ(Co-op)の比重が高めです。それでもアッパーイーストサイドと比べると、コープなどに昔から長く住む人の割合がやや小さいという違いがあります。その証拠に、COVID-19 の流行以後、空室率はウェストサイドがイーストサイドを上回りました。昔から高級住宅地として住人が固定された地域がイーストサイドより少ない、大学や芸術系の学校があり学生が多い、などの理由によると思われます。

室内洗濯機付きで築浅の1ベッドルーム以下の賃貸物件は、リンカーンスクエアとは違って選択肢が僅かしかありません。室内洗濯機を必須とされる場合、新しさ、建物周囲の街の雰囲気、家賃などを大きく妥協しなければならない可能性が高まりますし、さらに言えば、このエリアをお選びになることが正しくないのかもしれません。



コンドミニアムについても、立地が良い築浅物件はかなり少数です。各ユニットが広くて数が少ないブティック型コンドもあり、それらの価格はとりわけ高くなります。


 商業施設

Broadway 沿いに、Talbots など伝統的大手アパレルストア、ブティックストア、Barnes & Noble(書店)、銀行、ドラッグストア、映画館など、事業基盤が大きな会社の店舗が多数見られます。ニューヨークの老舗ローカル店としては、グローサリーストアの Zabar’s や、鮮魚やグルメな惣菜が揃う Citarella が知られています。

これら大手書店、アパレルストア、地元密着型のグローサリーストアは、古き良き住宅地だからまだ存在してるのかもしれません。ミッドタウンではそういった店舗は限られた数しか残っておらず、世界的超大手ブランドがほとんどになっているからです。Brooks Brothers もありましたが、コロナ禍で閉店してしまいました。数十年前のミッドタウンの姿がアッパーウェストサイドにあるようです。



Amsterdam Ave や Columbus Ave 沿いの 75丁目から南は、Jacques Torres Chocolate、Blue Bottle Coffee、Joe & The Juice、その他サラダやメキシカンフードなど、知名度が高いチェーン店が並びます。75丁目より北には知名度が高い店が非常に少なく、レストラン、バー、グルメな顧客を意識したカフェ、小さい商店が多数となります。日本でもおなじみのサラベス(Sarabeth’s)の一店舗があるのも Amsterdam Ave です。タイなどアジア系のレストランが比較的多くみられます。アッパーイーストサイドの東側にあるような、古くからのイタリアンレストランはやや少ない気がします。



大型のスーパーマーケットについては、Whole Foods Market が 97丁目 & Columbus Ave に、Trader Joe's が 92丁目 & Columbus Ave と 72丁目 & Broadway の二箇所に、Fairway Market が 74丁目 & Broadway にあります。住宅地であるため、庶民的なチェーン店までスーパーマーケットやグローサリーストアは多数あります。

 街並みの非連続的変化

アッパーウェストサイドと一括りに言っても、清潔か・雑然としているか、雰囲気が良いか・悪いか、道行く人が洗練されているか・いないかは、場所によってかなりの違いがあります。また、それらはエリアを一方向に進むと単調に変わるのではなく、場所によって飛び飛びに変わりますし、大通りだから安心できるわけではありません。観察される住民層も結構変わります。物件選びの前に、ご自身の目で地域をよく見て、他の場所と比較されることをお勧めします。

アッパーウェストサイドの北限は 101丁目となっていて、96丁目を北限とするアッパーイーストサイドより北に伸びているのですが、Amsterdam Ave や Columbus Ave の 96-97丁目から北は、その南と様子がずいぶん異なります。大型スーパーマーケットがあることによる期待に反して、観光客が訪れる場所ではないにもかかわらずゴミが多数散らかっています。97丁目のWhole Foods Marketの敷地の角から正面玄関の映像がこちらです   (無目的にたむろしている人々が見られます。)



106丁目より北に進むと、街並みが再び綺麗になっていきます。101丁目から北のモーニングハイツと呼ばれるエリアには、コロンビア大学やバーナードカレッジ(リベラルアーツの女子大)があり、その周辺に大学街が形成されているためです。Broadway 沿いの歩道に席を設けたカフェ Le Monde などではブランチを食べる人の光景が見られます。

2024年3月20日 更新

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