間取りの研究(6)ベッドルームをリビングルームから離した住宅
ニューヨークの賃貸住宅は床面積対費用の効率性が求められるということもあり、1ベッドのアパートでも2ベッドのアパートでも、リビングルームの隣にベッドルームが並んだ間取りが多く見られます。もし、二つの部屋を隔てる壁の全面にクローゼットがあればある程度の防音になりますが、そういった工夫も、広めの住宅(特にコンドミニアム)では採用されても、多くの賃貸住宅では最近は特に難しいようです。
下の図のように、リビングルームとベッドルームの間にバスルームやクローゼットを配置して、二つの部屋を離した住宅が、数が少なめながらあります。

■ 魅力ある点
音の干渉が少ない
部屋が離れていれば音の干渉が少なくなり、お二人以上でお住まいの場合に、一人だけが起きていたりビデオ会議をするにも、もう一人の方がそれほど気を遣わずに済んだり睡眠の妨げが減ると期待できます。
バスルームに窓を作りやすい
リビングルームとベッドルームの間にバスルームが配置されることで、バスルームに窓をつける設計が容易になるという副産物があります。リビングルームとベッドルームが隣り合わせの1ベッド住宅においては、バスルームが上の図の Closet と W/D(室内洗濯機&乾燥機)の位置に配置されることが多く、そうなると窓を付けられないことが大多数となります。
■ 場合によって今一つな点
限られたスペースが通路に使われる
上の長所があれば必然的に生じる欠点ですが、二つの部屋をつなぐ通路のスペースだけ実質的居住空間が少なくなります。しかし全体の床面積が少なめの住宅では、そもそもこういった間取りを採用することは少ないと考えられます。