Oxford Property Group
お取引のポイント
サービスの特色

不動産情報サイトによる「ダイレクト」化は情報弱者を餌食にする

Lesson 1.物件広告主にコンタクトする、その一歩が大きな間違い。彼らは特定の家主のために働く

Lesson 2.市場全体から物件を厳選して提案してくれる不動産エージェントを使おう

Lesson 3.個別物件広告は全て囲い込み。仕組みを知ろう


2022年5月29日 最終更新

不動産情報サイトが一般消費者を相対的情報弱者に変えた

世間には「不動産屋は人を騙すから注意」とお考えの方が一定数存在します。では、一般消費者にとって、インターネットで多くの不動産を探せるようになった現在では、情報の透明性や利便性が高まったのでしょうか。

端的な答えは ”No” です。不動産情報サイトの枠組みはダイレクト販売/賃貸のように見えて、その実は、売主・貸主を代理する不動産エージェントに消費者が直接コンタクトしているに過ぎず、プロ並みの知識がない人は誰でも騙されたり特定物件に誘導される状況になりました。つまり、消費者は対岸の敵または交渉相手とダイレクトにつながったのです。このため、詐欺も著しく増えています。

自分でインターネットで探せるとお考えの一般消費者のほとんどは、"unknown unkown" つまり、自分が知らない情報があるということ自体を分かっていない、という状況にあります。

物件広告主にコンタクトする、その一歩が大きな間違い

インターネット上で特定の物件を広告している人の殆ど(大手サイトにおいては100%)は、その物件と利害関係がある、売主・貸主の代理人か、少数の例では売主・貸主自身です。市場にあまた存在する不動産の中から、その物件だけを買って欲しい・借りて欲しいという動機を持つ人たちです。だからこそ、不動産情報サイトに毎日広告費を払って物件情報を掲載しています。

当然ながら、次のようなことはしてもらえません

  • 隠れた条件を始めから正確に開示してくれる
  • エリアや条件に関する助言をしてくれる
  • 申込みを取りやめても他の物件を探してくれる
  • お客様の状況を積極的に把握して、市場全体からご希望条件に最も近い物件を提案してくれる

また、このようなダイレクトモデルの広がりにより憂慮されることとしては、

  • 広告主が売主・貸主の代理人であることを一般消費者に説明する

という機会が、始めにありません。この点は、消費者を保護する従来の不動産取引モデルからの決定的な後退であり、買い手・借り手が自身の代理人(Buyer’s Agent、Tenant’s Agent)を起用する習慣を失わせます。

不動産情報サイトは、知識がない人にとってデータベースの役目を果たさない

お客様が不動産会社をご自身の代理人として起用して住宅探しを全面的にご依頼になれば、その不動産エージェントは、業界のデータベースを駆使して最善の提案を行います。

同じ物件は、消費者向けの不動産情報サイトにも掲載されていることが多いものの、お客様がそれを見つけられるかどうかは別問題です。

  • 検索条件を細かく設定できない、あるいは物件情報が正しく登録されていないため、探し出せない
  • 広告主により掲載基準が異なるため、それを知らずには比較できない。例えば
    • 家賃無料月を勘案後の実質家賃のみを掲載しており、契約上の家賃の記載がない
    • リースブレイクなのに、通常の賃貸契約だと見せかけている
  • 写真は見栄えが良くなるようにかなり編集を施されている場合が多いが、プロでなければ修正前の姿を想像できず過度に期待したり、写ったものが何かを読み取れない(例えば、ガスコンロか電熱コンロか、窓からの眺望がどうか、本来の床の傷みはどうか)。低価格帯の個人投資家物件には、大手賃貸専用物件ほど整備が十分なされていないケースも多い
  • 不動産は結局、簡単な条件では良し悪しを表せず、見分けるには蓄積した知識が必要。物件価格や、借り手・買い手がついていない期間の長さには、相応の理由があるものの、消費者には理由が分からない

虚偽やごまかしの広告が横行

  • 他人の住宅を自分のものと詐称し、金銭を騙し取る目的で情報を掲載
  • 実際の番地やユニット番号を少し変えて勝手な物件を登録し、実際と異なる情報を記載
  • 別の賃貸住宅の写真を掲載
  • 「1ベッド」と記載されていても、Studio を仕切っただけで正式な1ベッドではない
  • 広さが偽り
  • メンテナンスが不十分で非常に傷んだアパートでも、写真を過度にレタッチして綺麗に見せかける

このような広告に「自分は遭遇しない」と皆様は思いがちですが、検索条件を厳しく設定するほど、マッチした広告は詐欺の可能性が高まります。詐欺師のターゲットは、「こんな掘り出し物があった」とぬか喜びする「情弱」消費者だからです。実例では、屋内プールがあることを条件に高級住宅街で最安値のアパートを探すと、番地を偽って登録して内容も虚偽が混じった広告でした。

業界最大の情報サイトですら、こういった多数の不正な広告を排除できていません(実は準大手より広告の審査が緩いのです)。弊社に来られた方がご自身で見つけた広告が詐欺や虚偽表示であったことが何度もありましたし、詐欺師への送金を間際で止めるアドバイスをしたことも一度ではありません。

だから不安は解消されない

このような状況から、インターネットである程度情報が可視化されているにも拘わらず、買い手・借り手である一般消費者の不安は解消されません。消費者ご自身では真実を容易に知りようがない上に、不動産情報サイトには味方が存在しないのです。

買い手・借り手の代理人(=味方)に依頼する

ベストな物件を安心して探すためには、Buyer’s Agent、Tenant’s Agent となる不動産エージェントを起用して下さい。物件毎に異なる広告主にコンタクトするのではなく、物件探しをそのエージェントに依頼するのです。お客様にとっての初めての味方になります。

賃貸の場合は、仲介手数料が必要になる物件もありますが、今のニューヨークでは仲介料を負担する賃貸会社が非常に多く、それらの物件を選べばお客様は無料でプロのサービスを受けられます。

不動産を購入する場合も、米国では、売主が仲介手数料を全額負担する慣習ですから、Buyer’s Agent を起用しない理由がありません。


当チームは、Buyer’s Agent, Tenant’s Agent としてお客様だけの利益のために最善を尽くします。

エージェントを起用せずに不動産情報サイトを使ってもリスクが小さい人とは

プロ並みの知識がない方には、不動産情報サイトは単なる参考としてしか使えず、物件探しや申込みに使うには大きなリスクを伴います。

不動産情報サイトで自ら物件を探してもリスクが小さい方は、次のような方です。(売買・賃貸共通)

  • ニューヨークに長く住み、エリアも物件もプロ並みの知識があり、数十ページの英文契約書を問題なく理解できる語学力やビジネス経験があり、更に詐欺に遭いがちな低価格帯で物件を探していない人
  • プロ並みの知識はなくても、住みたい物件が明確に決まっていて、他の物件と内容や条件を比較する必要性がなく、数十ページの英文契約書を問題なく理解でき、更に詐欺に遭いがちな低価格帯で物件を探していない人

「コラム」に戻る