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賃貸契約をニューヨークに行く前に済ませるべきか、現地で物件を見て契約するか

ニューヨークにいらっしゃる前に賃貸物件を契約するか、それとも現地で賃貸物件を見て契約するかは、それぞれ異なる利点があり、どちらをお選びになるかはお客様次第です。しかしパンデミック後に変わった賃貸市場の慣行と、最近の家賃上昇圧力の強さや賃貸需要の高まりのせいで、ニューヨークにいらっしゃる前に賃貸物件をご契約になる方が、ご予算と選択肢の両面で有利なことが多くなっています。

2025年7月12日掲載、2025年8月16日更新

入居可能日の随分前から借り手を募集する貸主が増加

COVID-19のパンデミックが起こって以降、ニューヨークの多くの賃貸物件のオーナーや管理会社が、物件が入居可能となる日より随分早く、例えば1か月以上前から、次の入居者を募集するようになりました。パンデミック前にもそういう募集はありましたが、それは借り手を見つけにくい閑散期であったり、価格が高い2-Bedや3-Bedのアパートメントでのことが多数でした。それ以外では、ニューヨークシティで借り手を見つけることが比較的容易なので、多くの物件では入居可能な状態になってからや、テナントが退去してクリーニング完了の目処が立ってから、次の入居者を募集していました。当チームの殆どのお客様も、ご到着の翌日のうちに内覧をしてご希望の物件にお申込みになっていました。

パンデミックにより、アメリカ人でもリモートで写真や動画によって内覧して契約する需要が発生し、パンデミックが収束した後もずっと、それが新しい慣行としてある程度定着しました。また、貸主にとって、早く広告することは競合物件より先に借り手を見つけられる可能性につながるので、借り手の募集を元通りに遅らせる理由を見出しにくくなりました。

既存の借主が賃貸契約を更新せず退去する場合、契約終了日の30日または60日前までに貸主に通知することになっています。貸主はその通知を受けると時期を見計らって次の借り手を募集します。

NYCの逼迫する住宅事情により、お手頃な物件では従来より早く借り手が決まる

2025年1月から7月までの間、月次で集計されるマンハッタンの家賃の中央値は過去最高値を5回更新しました。その背景には、インフレ最終期と目される経済環境の中で他の物価に遅れて賃貸ビルの各種経費が家賃に上乗せされていることや、金利が高すぎてローンでの住宅購入を見送っている人々からの賃貸需要があることは確かですが、別の大きな要因は、「NYCに仕事や勉強のために引越す」「NYCに住むならマンハッタンに住みたい」人が米国内外で多いことです。

マンハッタン2025年の家賃

逼迫する空室事情は空室率にも表れています。統計により数字に違いはありますが、マンハッタンでは1年前より空室率が低下しています。昨年6月の2.83%から今年6月に2.14%に低下した (=0.69ポイント低下)という統計がありますし、現在は1%台後半という統計もあります。

住宅をお探しする時の体感では、この空室率が示す以上の厳しさがあります。パンデミック以前にも空室率が2%を切った時期はありましたが、その頃とは違う難しさです。その理由は、冒頭でご説明した、空室になる前からマーケットに出る賃貸物件が増えたことと、全体的に家賃が高騰したことにあります。その状況下では、立地や品質が良い中でもリーズナブルな価格の賃貸物件は、早く市場に出されるとそれだけ早く、例えば入居可能日の2-4週間前にでも借り手が付きます。

繁忙期価格に達する前に契約できる利点も

早めに契約することは、特に6月から8月の繁忙期では、家賃でも有利になることがあります。例えば、7月1日に入居可になる賃貸物件が5月15日に広告開始されたとします。7月は賃貸需要が1年の中で最も高い月です。6月中旬にもなれば引き合いが一層増し、市の家賃規制の対象になっていない大手賃貸ビルでは広告の家賃を大きく引き上げることがあります。それまでなら、繁忙期価格ではない、お得な家賃で契約できたことになります。「すぐに貸せていなら値下げを考えるのでは」とお考えになるかもしれませんが、大手賃貸ビルであれば、入居可能日に近づいた特定のユニットがまだ市場に残っていても、広告した他のユニットに順調に借り手が付くなら、季節相応に家賃を上げても借り手が現れると期待するでしょう。家賃を下げる微調整をするのは、実際に空室になってからでも良いのです。

遠隔で仲介する当チームに特に求められる仕事

第一に、お客様とのコミュニケーションがとても重要になります。ご覧になって体感されていない事柄を、きちんと言語化して文章でご説明するには熟慮が必要ですし、文章も推敲します。やり取りを繰り返しながらお客様が何をお求めかを明確にしていく過程は、時差の関係から昼夜を問わず進行します。現地でなら即日にでも決める物件選びの代わりに、遠隔でいろいろな情報をご提供することで絞り込んで頂くわけです。データを探してご提示することもあります。

第二に、遠隔でお申込みになるための条件を賃貸ビルと都度確認しており、家主側の米人エージェントを相手に特に漏れのない仕事が求められます。

第三に、ニューヨーク時間の夜に決まった方針を翌日実行することもあり、機敏に、時に休む間なく対応することが必要になります。一件のご依頼に費やす時間も結構なものになります。


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