NY不動産市場

2018年10月 ニューヨーク市のケース=シラー住宅価格指数が2か月連続で上昇(データ有)

2018年10月、ニューヨークシティの季節調整後のケース=シラー住宅価格指数が、前月比0.66%増と、9月の0.68%(先月発表時から改定)に続いて、2か月連続で上昇しました。上昇率は今年前半並みに小さいながら、4月から7月にかけての下落と明らかに違う傾向を示しており、復調に転じたのではないかと言う、先月時点の印象を強くしました。価格指数と、各種マクロ経済指標を勘案すると、今は住宅購入に適したエントリーポイントだと考えられます。

// 注:最新のケース=シラー住宅価格指数は「投資・売買」に移動しました //




先月のコラムに書いた私見とは、

  • 2017年の住宅市況の過熱が一服しつつ、売り手が価格を野心的な水準から改めることで需給のマッチングが回復し、また長期金利が今のように11月より低く推移するならば、住宅価格はこれから緩やかに復調する
  • 2018年秋は大きなハリケーン被害がなく、また12月に入ると金利も関税政策も一定の落ち着きを取り戻したことにより、仮に10月・11月に同指数が低下していたとしても、12月以降に再度上昇傾向に戻る可能性が相応に考えられる
  • マクロ経済の見通しは様々ながら、仮に景気が後退期に入るとしても、その頃には金利引き上げ政策が転換されると考えられ、景気後退の程度が大きくない限り、それが不動産価格の下落圧力を相殺する可能性がある(なお、当チームは、米国で好調な消費、個人投資、政府支出が続いていることにより、当面景気が後退する可能性は低いと考えています)
というものです。従って、

  • 買い手にとっては、今が住宅購入に適したエントリーポイント
  • 住宅の売却を考えていた人にとっては、2017年ほどの過熱は当面起こりそうにないので、資産の回転効率とリスク回避を重視した出口戦略をお考えになって良い
という結論です。

実際のところ、今後景気が後退するならば、不動産価格よりも、他のアセットクラス(例えば米国株、ジャンク債等)の価格の下落の方が遥かに大きいと思われます。リーマンショックは、サブプライムローンとそれに起因するシステミックリスク(金融機関の流動性など)に大きな原因があったわけですが、これから考えられる景気後退は、起こるとすれば、個人消費と企業の業績が主導すると考えられるからです。
下に、同住宅価格指数の前年同期比の変化(ある時点での過去1年間の変化)を確認します。2018年9月までは四半期毎のデータで、続けて10月のデータを加えました。





おさらい

  • 2017年中頃から2018年初めまで、ニューヨーク及び米国主要20都市の住宅価格は、ここ数年の中でも特に高い上昇率を示していた。
  • ニューヨークシティでは2018年3月までに、主要20都市では6月にまでに、住宅価格の前年比上昇率がピークを迎え、以降の伸びは緩慢に変化した。
  • ニューヨークシティの2018年6月の前年比上昇率は、2016年から2017年前半の上昇率程度に下がった。2018年9月には前年比3.1%(先月発表の2.6%から改定後)と、低成長ぶりが明らかになった。

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