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お取引のポイント

不動産会社を使う理由(完結編)~ ご依頼を受けて行う物件選別作業

「 広告のこのお部屋を見せてもらえますか 」「 $4,000 以下で室内洗濯機付き 1ベッドルームを探しています 」というご依頼をよく受けます。しかし、お客様の状況が分からずに即答することは出来ません。お客様ご自身やご希望について十分な情報提供を頂いた上で、弊社の経験や非公開の物件情報と照合し、お申し込み可能な中で最適な厳選物件をご提案します。

お客様の状況やご希望に沿った、対象物件の絞り込み

ニューヨークでの物件探しは、カタログから簡単に選ぶようにはいきません。一般向け不動産サイトに物件情報が出ていても、細かい条件で絞り込めないばかりか、多くの申込み条件が記載されていないことが普通だからです。

お客様からお問い合わせを頂く際は、ご入居希望日米国滞在資格滞在ご予定期間何人でお住まいになるか(ご家族なのか、シェアなのか)ペットの有無(有の場合は種類や体重も)雇用主から支給される住宅手当の金額住宅手当は仲介料をカバーするか住宅手当は実費給付か定額給付かご希望の学校区ニューヨーク市内のお引越しであれば、今のアパートの契約終了日や中途解約条件といった、具体的な情報の提供をお願いしています。

物件により次のような点で違いがあります。当チームは、不動産会社向けデータベースで調べたり、物件に問い合わせたり、これまでに得た知識から、これらの情報を把握します。それをお客様の情報と照合することで、お申込み可能な物件を素早くご紹介でき、最短時間で確実に契約に導きます。

  • 物件が賃貸専用住宅か、投資家所有物件(コンドミニアム)か
  • 契約期間が1年単位か、1年未満や1年数か月の契約が可能か
  • 家賃無料月が12か月の中に含まれるか、12か月終了後に無料月が付与されるか
  • 月の途中で契約を開始した場合、ちょうど12か月後の月の途中に契約が終了するか、それとも端数プラス12か月で必ず月末に終了するか
  • 賃貸会社が弊社の仲介手数料を負担するか
  • 入居可能日
  • 賃貸会社が空室をマーケットに出す時期の違い(住人が退去後に空室が出るか、退去の1-2か月前から空室情報を出すか) ・ ・ ・ つまり、ある日付に入居可能となる空室を探す際、賃貸ビルによって探すのに適切な時期が全く違う
  • レイアウトごとの居住可能人数、何歳から一人として数えるか
  • シェアの可否
  • ペット可、制限付きで可、または不可の違い
  • 保証人を伴う申し込みの可否
  • 使える家賃保証会社の違い
  • アメニティーフィーが必須か任意か
  • 初期費用の支払い方法の制約
  • 海外からの転入者に対して追加で求められる条件
  • 月単位のサブリースが許容され、短期で人の入替わりが多いかどうか
  • 中途解約の可否、条件、違約金の大小
  • 数か月の契約延長の可否
  • 法人契約の可否
  • 外交特権を有する方がお申込み可能か

リーシングオフィスや個人家主のエージェントは、申込みにつながりそうにない人にお部屋を見せることはありません。一般の方がインターネットで見つけた物件に一つずつ問い合わせて条件を確認するのは、かなり手間と労力のかかる作業ですし、ポイントを把握できていないと確認にすら辿り着けません。


不動産情報サイト自体にも問題があります。

  • 物件情報を全く出さない賃貸会社がある
  • 全ての空室の情報を出していない賃貸会社がある
  • 室内洗濯機の有無など、設備の情報が正しく登録されていない

不動産会社向けDBの情報や、弊社が蓄積した情報で補完します。《 不動産会社を使う理由:不動産サイトに掲載される賃貸物件が減少中 》



広告主の役割やリーシングオフィス(賃貸事務所)の対応も、理想のお住まいをタイムリーに見つけられるかどうかに影響します。審査対応、一般的に50-80ページある賃貸契約書の確認、お支払い等、すべてのプロセスがスムーズに進むよう、事前にご説明し全面支援します。貸主側に今一つな点があれば客観的にお伝えします。

  • 広告主が賃貸会社か、個人家主のエージェントか、無関係のエージェントか。内見予約のハードルや押し売りされやすさが異なる

詳しくは 《 続・不動産会社を使う理由(Tenant's Agent、Buyer's Agentとして)》 及び 《 借り手のお客様のみを代理 》



基本的な申込み資格

年収とクレジットスコアにより、ご紹介可能な物件が変わります。これらの情報を開示頂かずに物件探しは出来ません。

弊社ではパスポートさえ提示すればご入居可能な「審査簡単」アパートは取り扱っていません。全ての入居者をスクリーニングする(財務状況や犯罪歴等を調査する)物件のみを紹介しています。そのような物件では、ニューヨーク市では違法な Airbnb(エアビーアンドビー)を黙認したりしません。隣人の身元がしっかりスクリーニングされていることは、毎日安心して生活するために最低限必要な条件です。

消費者が直接家主側エージェントに問い合わせても返事がないことが多い

「業務レベルの英語力があり始めは自分で物件を探せると思ったが、物件を広告するエージェントに問い合わせても返事がなく、従って内覧が進まず物件の良し悪しの把握にも至らない」という方は時々いらっしゃいます。問い合わせ方や質問内容によって、面倒とか成約可能性が小さいと思われると、NYの忙しいエージェントは返信しません。弊社が物件探しをすることで、状況が劇的に変わります。

また、実物をご存じない方が写真を手掛かりに物件を探すと、本当に求めているものにたどり着けずに終わりがちです。弊社は最短経路でご希望を満たす物件をお探しします。

入居者審査のバリエーション

マンハッタンで賃貸物件を借りる際の一般的な審査基準は次の通りですが、物件によって許容範囲に幅があります。それを勘案して物件をご紹介します。

  • 家賃月額の 40 倍の年収(支給が確約されていないボーナスは除く)
  • 理想的には 700 点以上のクレジットスコア

2019年にニューヨーク州の法律が変わり、家賃1年分の前払いや、1か月分を超えるセキュリティデポジットの預け入れが禁止されたため、米国内での収入がない・低い方には一層厳しい状況になりました。私たち不動産会社は、学生の申込み可の物件や、審査が緩やかな管理会社を把握しています。

審査では、収入やクレジットの数字のみで判断されるのではなく、現在お住まいの物件の家主からの推薦状を求められることもあります。コンドやコープでは、知人や上司からの推薦状が複数必要なケースもあります。誰に頼んだら良いのか、何を書いてもらったら良いのか、弊社がアドバイスします。

審査基準を満たせない場合

収入やクレジットスコアが足りない場合に、次の材料で補強できる場合があります。これらを考慮して物件をお探しします。

  • 米国内の流動資産(預金及び株式)
  • ニューヨーク州または近隣の州に在住の保証人
  • 第三者機関による家賃保証サービス(賃貸債務保証サービス)

家賃保証サービスを使う場合にも審査があります。保証会社により審査基準、保証料、支払い方法が違いますし、使える保証会社は物件により異なります。家賃保証への申込み要件については、コラム《 米国の家賃保証(第三者保証)を正しく理解する をご覧下さい。

お申込者お一人ずつ状況が異なるため、家主(または家主のエージェント)、リーシングオフィス、家賃保証会社と英語で迅速に、機転を利かせてやりとりしなくてはなりません。弊社がお客様の代わりに交渉したり、家賃保証に関する手続きを全面的にサポートします。

機械的な足切り審査を行うリーシングオフィスへのフォローアップ

賃貸会社によっては審査の手続きを簡素化しており、お申込者のご収入が基準よりやや少ないと、預貯金が多かったり家賃保証サービスをお使いになれるなど十分な代替手段がある場合にも、お申し込みを却下する場合があります。(率直に言えば、これらは弊社がお勧めする多数の高級物件と比べると、家賃は大差なくても人材や物件の品質の点でやや劣ります。)

弊社は事前にお客様の状況をリーシングオフィスに説明し、承認される見通しが得られてから、お客様をご案内します。弊社が事前にリーシングオフィスにコンタクトしていることにより、機械的な却下から免れることができます。実例では、お客様だけでお申し込みになると、審査で1000点中一桁の点数が出てお申し込みを却下されたところを、弊社の仲介で750点台に変わり承認された方がいらっしゃいます。

詳しくは、コラム《 入居審査に落ちる確率


物件内部の品質や、管理会社のサービスの質による選別

賃貸物件の管理会社によって、お客様への対応、審査の厳しさ(その結果どのような人が住んでいるかが決まる)、コンシェルジュやドアマンのサービスの質などにかなりの差があります。

また、物件内部の品質にも大小の差があります。とても高品質なものをお求めのお客様には、低めの品質の物件は理由がない限りスクリーニングしてお勧めしません。

一般の方がインターネットで写真をご覧になっても品質の差を把握することはかなり困難です。この点は、様々な高級物件を普段から観察している当チームの大きな付加価値です。

例えば、内装のいろいろな面でコストをかなり抑えていたり、入居者が入れ替わる際のクリーニングやリノベーションに費用をかけておらず傷みや隙間の汚れが蓄積していたり、キッチン電化製品やシャワーヘッドが旧式であったり使い込まれている場合があります。エレベーターが入居者数に対して少なく、休日の昼間なのに5分以上待ってもエレベーターが来ないので階段を使って内覧した賃貸ビルや、狭いエレベーターが一機しかない賃貸ビルもありました(どちらも弊社はお勧めしなかったのですが、お客様のご要望でご案内しました)。ごみを捨てる各階のスペースを1日に3度清掃する賃貸ビルもあれば、通用口がないために正面玄関付近にゴミを積んでいる賃貸ビルもあります。

コストを抑えた物件でも、ぱっと見ると高級そうで、家賃も他より少し低いだけだったりしますので(つまり割高なのですが)、お客様によっては悪さをお分かりにならない場合があります。特に、その建物に日本人が一定数お住まいだと「良い物件なのでは」と誤解されますが、単に他より安かったり審査が甘いので選ばれているケースがあります。弊社は、お客様から低価格最優先というご要望がない限りそういった住宅のご提案はしませんが、ご希望になったお客様には都度客観的な判断をお知らせしています。

そもそも、写真が実際の姿からかけ離れた程度まで加工された広告が多数存在します。当チームなら実物を知っていたり、いくら写真が加工されていても、そのほころびから推測できます。

逆に、とても良く運営・メンテナンスされていながら、お客様が一見で物件の良さをお分かりにならなかった時に、他と比較してその点をご説明します。

私たちのサービスは、お客様が物件と契約するかしないかだけにかかわらない、情報産業です。

2024年4月13日 最終更新

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