NY市 住宅価格指数、米東北部 新築住宅価格

ニューヨーク市のケース=シラー住宅価格指数の変化を解説。現在、2019年3月までの住宅価格指数(5月末発表)、米国東北部の新築住宅販売価格、長期金利を掲載。

住宅全体を示す指数の上昇は鈍化していますが、新築住宅価格は比較的大きな上昇が続いています。

《 住宅価格指数: 長期推移 》

ニューヨーク市の住宅価格は、景気の拡大期・縮小期に、他の地域より緩やかな上下を示します。インデックスの基準である2000年(=100)から、2018年末に2倍になったことが分かります。

2018年の後半から12月にかけて(実際は単月で見ると2019年1月までは)、米国主要20都市平均とは対照的に、順調に伸びたことが分かります。2019年の1-3月期には若干下落し、米国主要20都市では上昇に転じました。

注:季節調整を行っていない数値なので、12月の方が同年の6月より下がる傾向があります。3月の数値も、季節調整後は若干のプラス成長です。

《 住宅価格指数: 直近一年以内 期間別推移 》

2019年3月までの直近1か月から9か月において、ニューヨーク市の住宅価格は米国主要20都市平均より高い伸び率を示しました。

注:これらの成長率は年率換算していません。つまり、12か月での4%成長と、6か月での1.98%成長(複利を勘案)は、ほぼ同じ成長率です。

《 住宅価格指数: 月次推移 》

季節調整後の指数の月次推移を示します。2018年9月から3月まで連続7か月間、指数が上昇しました。増加率は徐々に小さくなり、3月の単月の上昇率は0.15%にまで下がりました。2月は、予想外に下落した1月からの反動がありましたが、3月に再び増加率は逓減に転じました。2月にはトランプ政権による関税戦争が楽観視され、3月にそれが再燃したたことと関係しているようです。不動産の購入を検討していた人々が、不動産以外のアセットクラス(特に株式)の資産の目減りのために慎重になったり、2019年に中国人の米国への投資が(中国政府の指示も受けて※)さらに減少していることが、平均住宅価格に影響しています。

※ Wall Street Journal, “Chinese Exiting U.S. Real Estate as Beijing Directs Money Back to Shore Up Economy”, 1/29/2019.

前年同期比は、2018年1月に5.2%ありましたが、2019年3月には2.3%に低下しました。


  • 2018年9月と10月のデータを考察したコラムにおいて、住宅価格が2018年夏場の下落から上昇トレンドに転換した可能性を書きました。その考え通り、11月以降連続して住宅価格が上昇しました。しかし上昇幅は徐々に小さくなりました。2018年中は、それでもこの期間に持ち上がった米中関税問題や中国の景気減速を考慮すると、住宅価格が堅調に上昇を続けたと言えますが、2019年に入ってからは経済的不安定要素があまりに大きく認識され、住宅価格への影響も大きくなっているようです。
  • 米国30年固定金利モーゲージ(住宅ローン)の平均金利は、2018年11月に4.82%のピークを迎えてから、1月中、2月中はほぼ横ばいで4.40%前後を推移しましたが、3月には、FRBの金融政策に軌道修正があったことから再び下降が早まり、4月末は4.09%まで低下しました。5月末はさらに微減の4.03%となりました。金利の低下が住宅需要を下支えしているところもありますが、それは(米国で住宅ローンを組めない)海外からの投資家にはあてはまらず、住宅価格指数の低下につながっていると考えられます。
  • ここでは詳しく書きませんが、住宅価格と住宅の販売戸数の違いを認識しておく必要があります。価格上昇が緩やかになっている一方、2月の全米新築住宅販売戸数は、アナリストの予想を超えて、年率換算で4.5%も増加しました。3月には新築販売戸数は減少しましたが、新築住宅の価格は未だに上昇しています。
《 新築住宅販売価格 》

米国東北部の新築住宅販売価格の四半期毎の推移を示します。ニューヨーク市のデータではないので、正しくは比較できないものの、ニューヨーク市のケースシラー住宅価格指数(新築と中古の両方が対象)より長期的に高い伸びを示しています。例えば、2012年第4四半期から2019年第1四半期まで、ニューヨーク市のケースシラー住宅価格指数が24%上昇したのに対し、新築住宅販売価格は中央値が32%上昇、平均値は35%上昇しました。

平均値の上下が中央値の上下より激しいのは、比較的少数である高額物件の販売価格が平均価格に大きく影響するためです。また、上下そのものには季節要因があり、ここ数年は毎年第3四半期(つまり学校が始まる前の3か月)に最も高くなる傾向があります。

《 米国30年固定住宅ローン 平均金利 》

過去5年の推移を示します。4月からさらに微減。出典:Bloomberg

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