NYC 住宅価格指数 ・ 米国東北部 新築住宅価格

2019年10月末に発表された、ニューヨーク市の 8月現在のケース=シラー住宅価格指数、米国東北部の第3四半期新築住宅販売価格、及び直近の30年住宅ローン銀行平均金利を解説します。

不動産価格の上下は、周囲との競争関係次第で、エリアによって様々です。詳しくは弊社にご相談ください。

住宅価格指数: 長期推移

一般的傾向として、ニューヨーク市の住宅価格は景気の拡大期・縮小期に他の地域より緩やかな上下を示します。指数の基準である2000年(=100)から、2018年末に2倍になったことが分かります。(注:季節調整を行っていない数値ですので、下のグラフのように半年毎に集計すると、12月は同年の 6月より下がる傾向があります。)

2018年12月 から 2019年8月までの8か月間の変化は、ニューヨーク市の住宅価格は季節調整前で +0.04% にとどまりました。これに対し、米国主要20都市平均は +2.57% でした。(季節調整後では、ニューヨーク市が +0.15% 、主要20都市は +2.09% でした。)

変化が通常緩やかなニューヨーク市の指数が他の都市に先んじて低迷に転じたことは特筆に値します。ニューヨークは他の都市より住宅価格が高いうえ、中国など海外の投資家による住宅購入が多かったために、米中の貿易紛争と中国の景気減速を背景に、指数が他の都市より先に低下を始めたと考えられます。

住宅価格指数: 直近一年以内 期間別推移

直近1か月から9か月の間、ニューヨーク市の季節調整後住宅価格は、減少に転じています。これに対し、米国主要20都市平均では3か月前から僅かに減少という結果になりました。

注:これらの成長率は年率換算していません。つまり、12か月で 4% 成長した場合と、6か月で 1.98% 成長(複利を勘案)した場合は、同じ成長率を意味します。

住宅価格指数: 月次推移

季節調整後の指数の月次推移を示します。2018年9月から 2月まで連続5か月間、指数が上昇した後、3月から低下が続いています。3月は、それまで小康状態だった米中関税問題が再燃した月です。不動産の購入を検討していた人々が、不動産以外のアセットクラス(特に株式)の目減りのために慎重になったり、中国人の米国への投資が、中国政府の指示も受けて(※)さらに減少したことが住宅価格に影響しています。

※ Wall Street Journal, “Chinese Exiting U.S. Real Estate as Beijing Directs Money Back to Shore Up Economy”, 1/29/2019.

前年同期比に関しては、2018年の春から夏にかけても住宅販売が少なかったことでまだ貯金があり、8月時点で 0.9% の増加率を保っています。


  • 2018年は、年末近くに持ち上がった米中関税問題や中国の景気減速を考慮すると、住宅価格が堅調に上昇を続けたと言えますが、2019年に入ってからは経済的不安定要素がかつてなく大きく認識され、住宅価格への影響も拡大しました。
  • 米国30年固定金利モーゲージ(住宅ローン)の平均金利は、2018年11月に 4.82% のピークを迎えてから、2月までほぼ横ばいで 4.40% 前後を推移しましたが、3月には FRB の金融政策に軌道修正があったことから下降を始めました。金利の低下が住宅需要を下支えしているところもありますが、それは米国で住宅ローンを組めない海外からの投資家にはあてはまらず、住宅価格指数の低下につながっていると考えられます。
  • 数ミリオンドル(数億円)以上もする住宅の中には、値付けが強気過ぎて大幅に値下げを余儀なくされているものが多くありますが、それより低めの価格帯ではそのような値付けの物件の比率が少なくなります。1-2ミリオンドルの中古住宅でも、競争が激しい地域の高級物件には、昨年と比べて大幅に値下げされているものが見受けられます。
  • この住宅価格指数と新築住宅価格とは動きが一致しません。新築物件が少なく人気がある地区では、値下げしなくても買い手がついています。
新築住宅販売価格

米国東北部の新築住宅販売価格の四半期毎の推移を示します。ニューヨーク市のケースシラー住宅価格指数より、この地域の新築住宅販売価格は高い伸びを示しています。

平均値の上下が中央値の上下より大きいのは、比較的少数である高額物件の販売価格が平均価格に大きく影響するためです。また、上下そのものには季節要因があり、ここ数年は毎年第3四半期(つまり学校が始まる前の3か月)に最も高くなる傾向があります。2019年の第三四半期(グラフ上の最後のデータ)も、大きく上昇しています。

米国30年固定金利住宅ローン 銀行平均

過去5年の推移を示します。10月24日の平均金利は3.75%と、未だに過去2年間の最低水準です。

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