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Buyer's Agent の必要性と選び方

米国では住宅購入時に、不動産エージェントを「買い手(お客様)の代理人」として起用し、物件調査、交渉、手続き管理、弁護士を交えた契約支援を依頼します。仲介料は売主が負担します。

必要性

不動産を広告する会社やセールスオフィスは売主の代理人(Seller's Agent)であり、買主の代理人(Buyer's Agent)ではありません。彼らは買い手のお客様に客観的な判断材料を提供してくれることはありませんし、買い手に有利になる条件で売主と調整してくれることもありません。このため、アメリカでは、不動産を購入する際に Buyer's Agent を起用することが常識となっています。

当チームは Buyer's Agent として、物件探しからご契約までの全ての過程で、買主の利益とご満足度を最大化するようご提案や価格・条件交渉を行います。手続きや商慣習に関するどんな些細な疑問にも日本語でお答えしますので、初めて住宅を購入されるお客様にもご安心頂けます。例えば、新築と中古では、物件の選び方、交渉上のポイント、資金調達の手順、負担する税金も異なります。また、市場の状況によっては、通常買主が負担する税金を売主が負担するよう、相手方と交渉できる場合もあります。

売主が Seller's Agent と Buyer's Agent 両方の仲介手数料を負担しますので、買い手のお客様には仲介手数料がかかりません。買い手のお客様が Buyer's Agent を使わない場合は、売主側の Seller's Agent が 名目上、買主の代理を兼ねる "Dual Agent" となり、本来売主から Buyer's Agent に支払われたはずの仲介料は Seller's Agent が受け取ります。このため、お客様が Buyer's Agent を起用しないからといって、購入価格が下がることも、何かの費用が節約できることもありません。それどころか、Seller's Agent との交渉が不利になります。

管理組合の審査が厳しい物件もありますので、十分な調査と準備が必要です。格式やコミュニティー意識が高い物件は、ご資金が潤沢なら誰でも購入出来る訳ではありません。お客様がご内覧時に Seller's Agent に服装を見られたり、ご勤務先企業について尋ねられたりします。その辺りの対応や意思疎通がうまく行かず、お客様を同じコミュニティーメンバーと認めてもらえなかったり、購入に本気であることが伝わらなければ、Seller's Agent という第一関門を通過できない恐れがあります。

選び方

ニューヨークのどの不動産会社でも、取り扱い可能な不動産はほぼ同じです。満足できるお取引になるかどうかは不動産エージェント次第であり、不動産会社が何かしてくれるわけではありません。次の点に留意してお選び下さい。

お客様の利益を最重視したサービス

不動産会社が顧客の不動産を利用して利益を上げることしか考えていなかったり、事実に反する売り文句まで用いて手持ちの特定の物件を押し売りするのは危険なサインです。当たり前に聞こえるかもしれませんが、残念ながら、珍しい話ではありません。

そのような例として、次のコラム 《 不動産会社の所有物件を買ってはいけない ~ 某社の転売事例、調査の重要性 》や、《 NYCの投資物件(下)全戸数の22%を日本人投資家が買ったコンドミニアムビル 》 をお読み下さい。

当チームは、金融機関の法人営業やコンサルティングなど、顧客第一主義の現場に長くおり、その思考様式が身についています。信頼して頂けるお客様にご満足頂くことと、長期的な関係を構築することを目指しています。

売主の代理人と兼務しない = 買い手のお客様だけの代理人

お客様が不動産会社に物件探しをご依頼になった際に、その不動産会社が売主から売却を委託されている物件や、不動産会社が所有する在庫物件を勧められたら、どう思われますか。他に良い物件はないのか、売主と懇意の不動産会社が売主に不利となるような交渉をしてくれるのだろうか、と疑問が生まれませんか。

これは Dual Agency(双方代理、両手仲介)と呼ばれる問題です。不動産会社が売主の利益を代表しており、売買双方の手数料を独り占めします。お客様の利益を最大化することは原理的に不可能です。弊社は原則として売主の代理人ではなく、また法令に従い、誰を代理するか(家主と利害関係があるか、それとも買い手のお客様だけの代理人か)を始めに表明します。(ニューヨーク州所定のフォーム を用います。)

ニューヨーク州がこの規定を設けているのは、Dual Agency は原理的に買主の利益を損なうものであり、それをお客様がご存じなく取引されるのは顧客保護の原則に反するからです。

ニューヨークの変化を理解した上での提案型サービス

アメリカは日本と違ってあらゆる意味で非同質的な社会ですので、不動産の価値は、物件そのものの良し悪しだけでなく、周囲の環境で決まる部分が非常に大きいです。そして、ニューヨーク市内、あるいはマンハッタンの中でも、エリアによって社会・経済状況が大きく異なります。ニューヨークに長く住み、しかも好奇心を強く持っていないと、各地域の違い・変化・人や文化の流れが分かりません。

また、将来の物件価値を決めるのはお客様の好みではなく、主にアメリカ人の好みです。長くお住まいになったり所有される資産ですから、広い視野でお客様のご希望に叶い、お客様の利益になる物件を探すことが重要です。

上のコラムでご紹介した事例のように、不動産会社が積極的に売り込む特定の物件をご購入されると、物件価値が上がりにくい地域であるなど、良い結果を生まないことになりがちです。

英語での円滑な業務、契約書を理解する能力

Seller's Agent とのコミュニケーション、弁護士やモーゲージオフィサーとの情報フローやスケジュールのコントロール、契約書の理解力、Seller's Agent と交渉ができるかどうかは、英語に不自由がないことが前提になります。米国での企業勤務経験が長い私たちの強みです。

多くの投資家の方が十分考慮されていないと思われることですが、ニューヨークの不動産購入にあたっては、契約書や付随文書など取り扱う文書量が膨大なため、不動産エージェントは情報を素早く的確に理解し、お客様にご説明できなくてはなりません。このため、ニューヨークの不動産エージェントには、大手企業での社会人経験が長かった人や、医師・弁護士といった知的プロフェッショナルが一定数存在するほどです。

ニューヨークでの不動産購入には必ず弁護士を用いますが、弊社は不動産を専門とするニューヨークのトップファームをご紹介し、英語での意思疎通は弊社が完全サポートします。トップファームは取扱件数が多く経験も豊富ですので、スムーズにクロージングに進められ、しかも、競争が激しいので他と比べて料金はあまり高くありません。(なお、不動産購入にかかる諸費用の中で、弁護士費用は最も安い費用です。)

担当者レベルの深いコミットメント

この業界の事情をご存じないお客様は、大手不動産会社なら安心とお考えになりがちですが、どの不動産会社でもそれは所属するエージェントの資質次第です。米国では、お客様が信頼出来て満足するサービスを受けられるエージェントに巡り合えば、そのエージェントが移籍したり独立した後も仲介をご依頼されますし、お知り合いをご紹介になったりします。

不動産業界において、会社の看板はエージェントの質の保証になっていません。人材に乏しいニューヨークの日系社会では特にそうです。また、米系不動産会社はどこも完全コミッション制ですが、大部分が給与制の日系不動産会社では、担当エージェントが難しいご要望に手を尽くさなかったり、大手企業の社員以外のお客様にぞんざいな対応をしたり、休暇でエージェント間の引き継ぎに失敗してもそのエージェントはリカバリーしないなど、無責任化する動機があります。実際にそのような対応を受けた方が当チームにご依頼になります。米系不動産会社に籍を置く私たちこそ、お客様の利益のために最大のコミットメントを果たす動機があります。