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投資物件管理の委託先の選び方

ニューヨークシティに投資用コンドミニアムを所有されている投資家、特に日本など遠方にお住まいの方は、不動産エージェント(リスティングエージェント)に物件広告とテナント探しをお任せになっていることと思います。空室の状態が長く続いたり、頻繁にテナントが変わったりと、ご不満はありませんか。

管理を任せた不動産会社が、皆様の利益のために業務を遂行しているかどうか、次の観点で確認できます。

テナントを都合よく選別していないか

多くの投資家は、管理を任せた不動産会社に毎月一定額の料金を支払うものの、新しいテナントが入居する度に仲介料を支払う訳ではありません。代わりに、テナントが年間家賃の 15% の仲介料を負担します。Co-broke の場合、リスティングエージェントとテナントエージェントが仲介料を 7.5% ずつ折半することになります。

しかしながら、15%の仲介料をすべて受け取りたいために co-broke しないエージェントがいます。他の不動産エージェントから問い合わせがあると 「先に別の申し込み者が現れた」 と嘘をついたり、内覧の予約をギリギリに断ったりして、自分自身で借り手を見つけるまでじっと待ちます。家主がこの事実を知ることはなく、空室の状態が長く続く可能性があります。

また、リスティングエージェントは新しい借り手を見つける度に仲介料を得ますので、テナントが毎年変わってくれることを望むという間違ったインセンティブがあります。この点で、複数年お住まいになりたいテナントを求める家主とは、利益が相反します。対応が迅速・誠実で快く co-broke するリスティングエージェントがほとんどですが、あからさまに自己の利益を追求する残念なエージェントが存在するのは事実です。

さて、投資家の皆様、物件管理を委託しているエージェントから、テナント探しについて定期的にアップデートがありますか? 他の不動産エージェントを通した申し込みがあったかどうか、収入が一般の基準より低い人から申し込みがあったかどうか、報告を受けていますか? リスティングエージェントは、受け取った全ての申し込みや問い合わせを家主に伝える義務があります。テナントを選ぶのはリスティングエージェントではなく家主の権限ですし、収入が基準より低い申込者にどう対処するかも、家主が決めることです。

広告を工夫しているか

借り手がつきにくい物件があるのは事実です。しかし、リスティングエージェントは、借り手を見つけるために十分な工夫をしているでしょうか。例えば、次のような点が該当しませんか。

     
  • 写真撮影をプロの写真家に依頼しないどころか、曇りの日に撮ったり、傾いた写真を平気で広告に使っている
  •  
  • ステージング(またはバーチャルステージング)をしていない
  •  
  • 物件の説明文(英語)が不十分
  •  
  • 周囲の物件と比べて家賃設定に問題があっても、投資家にアドバイスせず放置している


空室期間が1、2か月延びても、リスティングエージェントには大したことではありませんが、投資家にとってその金銭的影響は無視できません。

お客様と競合するビジネスをしていないか

不動産会社の仕事は、お客様の利益を損なわないことを念頭に置くならば、多くの制約があり、きちんとした経営判断が求められます。利益相反が非常に起こりやすいからです。

例えば、不動産会社が、あるお客様からコンドミニアムの管理を委託されているとします。もし、同じ建物内に、後からその不動産会社がコンドミニアムを購入し、それへの借り手を、投資家所有物件の借り手と同時に募集していたら、どう思われますか。何故その会社はお客様と同じ建物に物件を買ったのか、テナント付けにおいてお客様の物件が後回しにされないだろうかと、心配になりませんか。それが実際に起きている例がありますので、詳しくはコラム 《 パンデミック下の新しい利益相反 投資家と管理受託会社が同じ建物に物件を所有を御覧下さい。

既存の取引先不動産会社に疑念が生じた方は、ご遠慮なく弊社にご相談下さい。